この記事でわかること
利息の発生条件
利息の計算方法
商品の代金を支払ったり、お金を借入したりできるなど、人々の日常生活に利便性をもたらすクレジットカード。
利用金額の支払い方法もいろいろあり、本人に適した形で利用できるのもよい点です。
しかし、クレジットカードは利用の仕方によって利息が発生してしまいます。
クレジットカードの利用で利息がかかってしまうと、その分総支払い額が高くなってしまうので注意しなければなりません。
そこで今回は、クレジットカードの利息の発生条件や計算方法、利息が発生してしまったときの対処法などについて紹介します。

目次
金利が発生するのはどんな場合?
クレジットカードで商品の購入代金を支払った場合、後にカード会社へ利用金額を支払います。
そのとき、選択した支払い方法によって金利が発生してしまいます。
金利が発生した場合、利用金額の他に利息も一緒に支払わなければなりません!
そのため、支払い金額がその分高くなってしまうので注意が必要です。
クレジットカードを利用する際、金利が発生するのはどのような場合なのでしょうか?
リボ払いや分割払いにしている
それは利用金額の支払い方法をリボ払いや分割払いにしたときです。
一方、支払い方法を一括払いにすれば金利は発生しません。
また、カード会社によってはクレジットカードの支払い方法を2回払いやボーナス一括払いを選択できるところもあります。
2回払いやボーナス一括払いの方法で支払いをしたときも、一般的には金利は発生しません。
支払い方法 | 金利手数料の有無 |
---|---|
一括払い | 無料 |
2回払い | |
ボーナス一括払い | |
リボ払い | 有料 |
3回以上の分割払い | |
ボーナス2回払い |
キャッシング機能を利用したとき
クレジットカードにはショッピング機能だけではなくキャッシング機能もあります。
キャッシング機能を利用してお金を借りることができますが、その際にも金利が発生します。
そのため、借りたお金を返済する場合には利息を支払わなければなりません。
その他、利用金額の支払い遅延を起こすと「遅延損害金」が発生するので、その支払い義務が生じます。
その遅延損害金も利息の一種です。
リボ払いの特徴
リボ払いとは、クレジットカードの利用金額にかかわらず毎月決められた一定の金額を支払っていく方法のことです。
- 支払い金額が一定になるため利用金額を管理しやすくなる
- 毎月の支払い金額を数千円単位の少額にすることができる
- 返済期間が長くなりやすく金利の負担が大きくなる
- 利用残高を把握しづらい
リボ払いで毎月支払う金額は「元利方式」「元金方式」「定額方式」「定率方式」という選択基準をもとに決定していきます。
元利方式とは毎月の支払い額に金利分が含めて支払う方式です。
これに対して、元金方式とは毎月の支払い額とは別に金利分を支払う方式になります。
例えば毎月の支払い額が1万円だったとしましょう。
この場合、元利方式の場合は1万円、元金方式の場合は1万円+1か月の金利分の金額を支払わなければなりません。
一方、定率方式の場合、利用残高の割合で毎月の支払い額を決めていきます。
また、毎月の支払い額を決める際、残高スライド方式を用いるケースが一般的になっています。
残高スライド方式とは、利用残高に応じて毎月の支払い額が変化していくというものです。
リボ払いの金利手数料
クレジットカードの支払い方法をリボ払いにした場合、金利手数料は年率12~15%程度が相場になります。
リボ払い専用クレジットカードでは、金利手数料は以下のようになっています。
三井住友カード RevoStyle(リボスタイル) | |
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JCB CARD R | |
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ライフカードStylish | |
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分割払いの特徴

分割払いとは、クレジットカードの利用金額を複数回に分けて支払う方法のことです。
リボ払いは毎月の支払い額が決まっているのに対して、分割払いは支払い回数があらかじめ決まっている点に特徴があります。
分割払いの支払い回数は利用者側で指定することが可能です。
- 支払い回数が決まっているので利用残高が膨れ上がりにくい
- 大きな出費を分割することができるので支払いの負担が小さくなる
- 支払い回数が3回以上になると金利が発生する
分割払いの金利手数料
分割払いの金利は年率8~18%の範囲内で適用されるのが通常です。
適用される金利の割合は、支払い回数やカードの種類で変わってきます。
例えば3回払いを選択した場合、カード会社によって多少変わりますが、金利の実質年率は12%前後になるのが一般的です。
これに対して、20~30回払いを選択すると、実質年率が15%台になります。
そのため、分割払いの支払い回数を利用者側で決める際、適用される金利の実質年率を考慮しなければなりません。
キャッシングの特徴
キャッシングとは、クレジットカードを利用してATMからお金を引き出すことができる機能。
つまりお金を借りることができます。
クレジットカードのキャッシング機能を利用するメリットは以下のとおり。
- 自分で自由に使えるお金を手にすることができる
- 短時間でお金を調達できるので、急な出費を要するときにも対応できる
クレジットカードのキャッシング機能を利用して借りたお金は、翌月以降の返済日に他のショッピングの利用金額と一緒に引き落とされるのが通常です。
キャッシングの借入金の返済方法は、リボ払いが一般的となっています。
一方、他のローンよりも金利が高めなので、その分総支払い額が多くなってしまうというデメリットがあります。
キャッシングの金利手数料
キャッシングの金利相場は年率15~18%程度で、設定される利用枠によって適用される金利が変わります。
利用枠が大きいときは低い金利が適用され、利用枠が少ない場合は高い金利となるのがキャッシングの金利です。
クレジットカードの金利について理解できても、計算方法がわからなければ発生する利息を把握することができません。
では、クレジットカードの利息はどのように計算すればよいのでしょうか?
クレジットカードの利息計算方法
ショッピング代金をクレジット決済した際、1カ月あたりの利息はどのように計算するのか、「リボ払い」と「分割払い」それぞれの計算方法を解説していきます。
リボ払いの利息計算方法
リボ払いの場合「リボ払い残高×年利÷12か月」の計算式で1カ月あたりにかかる利息を算出します。
リボ払い残高とは、リボ払い中の利用残高のことです。
リボ払い残高は毎月の支払いによって変化し、支払いにともなってリボ払い残高は少なくなるのです。
リボ払いを選択する場合、発生する利息を考慮して毎月の支払い金額を決める必要があります。
分割払いの利息計算方法
一方、分割払いのときに発生する1カ月あたりの利息は、「元金残高×年利÷12か月」で計算します。
分割払いの場合、返済回数が多ければ元金残高が減りにくくなるので、その分1カ月あたりにかかる利息の額も多くなります。
もし利息の負担を少なくしたいのであれば、できるだけ支払い回数を減らして1回あたりの支払い金額を多くしましょう。
キャッシングの利息計算方法
各金融機関やカード会社でキャッシングの利息計算に関するシミュレーション機能が提供されています。
この機能を利用する場合、「借入金×年利÷年間日数(365日、うるう年の場合は366日)×借入日数」の計算式で算出するのが一般的です。
借入日数=借入してから返済したときまでの日数
クレジットカードのキャッシング機能を利用して100万円未満の借入をした場合、年利は18%になるのが通常です。
そのため、5万円を借入して1カ月(30日)後に全額返済すると…
5万円×18%÷365×30=約740円の利息が発生するということになります。

そのため、借入金の支払い方法によって、利息の計算方法は変わるということを頭に入れておきましょう。
キャッシングの支払い方法は、一括払いの他にリボ払いや分割払いがあります。
上記の計算例は、一括払いの方法で借入金を返済したケースです。
リボ払いを選択したときはリボ払いの計算方法で、支払い方法を分割払いにした場合は、分割払いの計算方法でそれぞれキャッシングの利息を計算しなければなりません。
遅延損害金の利息計算方法
遅延損害金は、「元金残高×遅延損害金の年利÷年間日数(365日、うるう年の場合は366日)」の計算式で算出するのが一般的です。
キャッシングの場合、多くのカード会社では遅延損害金の上限を年率20%と定めています。
一方、ショッピングの遅延損害金の年利は、消費者契約法の上限規定である年率14.6%であるのが一般的です。
クレジットカードで10万円分の商品の購入し、代金を一括払いで支払うとしましょう。
その際、支払いを遅延したときにどのくらいの遅延損害金が発生するのでしょうか?
1日遅延した場合、1カ月(30日)遅延した場合、1年(365日)遅延した場合ごとに見ていきます。
- 1日遅延した場合:10万円×14.6%÷365=40円
- 1カ月(30日)遅延した場合:1,200円
- 1年(365日)遅延した場合:14,600円
キャッシングにはATM手数料がかかる場合もある
クレジットカードでキャッシングを利用する際、ATMでキャッシング手続きをする際の手数料がかかる場合もあります。
ATMでキャッシングの手続きをする際、どのくらいの手数料がかかるのでしょうか?
借入するときも支払いするときも発生する手数料は基本的に同じです。
具体的には1万円以下の金額の借入の場合は110円(税込)、1万円を超える金額の借入のときは220円(税込)の手数料がかかります。
ただし利用しているカード会社のATMを利用すれば手数料無料でキャッシングの手続きができます。
カード会社と提携している金融機関を利用する場合も同様です。
また、借入する場合、ATMを利用するのではなくネット銀行へ借入金を振込してもらえば手数料は発生しません。
そのため、キャッシングの借入や支払いをする際、これらの方法で手続きしたほうがATM利用の手数料を払わなくて済むということです。
キャッシングとショッピングでは金利が違う
クレジットカードには一般的にキャッシング機能とショッピング機能が備わっていますが、どちらを利用したほうがお得なのでしょうか?
どちらかお得か考える際、キャッシングとショッピングの金利に注目するとよいでしょう。
キャッシングをする場合とショッピングを利用する場合では、適用される金利が違うからです。
キャッシングは現金の貸付という扱いになるので金利も高めに設定されているのが通常です。
一般的なクレジットカードのキャッシングの場合、年率15~18%程度の金利が設定されています。
一方、ショッピングを利用するときに適用される金利は、年率12~15%程度なので、キャッシングよりも年率3%ほど低くなっています。
また、ショッピングを利用する際、必ず金利が発生するわけではありません。
金利が発生するのは、リボ払いや分割払いの支払い方法を選択したときだけで、一括払いや2回払いにした場合は金利が発生しません。
キャッシング | ショッピング | |
---|---|---|
金利 | 15~18%程度 | 12~15%程度 |
金利発生 | 発生 | 支払い方法によっては発生しない |
このようなことから、一般的にキャッシングよりもショッピングのほうがお得に利用できるといえます。
金利には上限が設けられている
前述のようにクレジットカードにおいて、キャッシングはショッピングよりも高い金利が設定されているのが通常です。
そのため「クレジットカードのキャッシング機能を利用すると、法外な利息を支払うことになるのでは?」と思ってしまう人もいるのではないでしょうか?
しかし、基本的にそのようなことはありません。
それは、キャッシングの金利は利息制限法や出資法という法律によって、上限が定められているからです。
利息制限法では、お金の貸し借りの契約をする際、貸付金に応じて適用できる金利の上限が定められています。
具体的には、貸付金が10万円未満のときは年率20%まで、10万円以上100万円未満のときは年率18%まで、100万円以上のときは年率15%までとなっています。
お金の貸し借りの契約をするときに上限を超える金利を定めたとしても、上限を超える金利から発生した部分の利息はすべて法律的に無効となります。
出資法の規定に違反した場合、刑事罰の対象になります。
以上のことから、異様に高額な金利が適用されるクレジットカードは存在しないのです。
カードの締め日が大きく影響する
クレジットカードの利息額は金利だけではなく、カードの締め日も大きく影響します。
そのため、クレジットカードを利用する際には締め日がいつなのかを把握しておいたほうがよいでしょう。
ではなぜ、カードの締め日はクレジットカードで発生する利息額に大きな影響を与えるのでしょうか?
具体的な事例をあげて説明していきましょう。
カードの締め日が毎月25日で引き落とし日が締め日の翌月の20日だったとします。
このカードを利用して7月25日に5万円をキャッシングすると、その5万円が引き落とされるのは8月20日です。
また、キャッシングの金利はカードの締め日の翌日から発生します。
そのため、8月20日に5万円と7月26日~8月20日の期間の利息額は引き落とされるのです。
これに対して、7月26日に5万円をキャッシングしたときはどうでしょうか?
この場合は、引き落とし日は9月20日で、その日に5万円と7月26日~9月20日の期間の利息を支払うことになります。
つまり、借入日が締め日かその1日後かによって、発生する利息額が大きく変わってしまうのです。
そのようなことから、できるだけ利息を少なくしたいのであればカードの締め日にキャッシングをしましょう。
ただし、クレジットカードの中には、借入してから初回の支払い日までは金利なしになるケースもあります。
キャッシングする際、その適用を受けられるのであれば、必ずしもカードの締め日を借入日としなくてもかまいません。
▼クレジットカードの締め日の詳細はこちらの記事をご覧ください。
利息額が大きくなる条件とは?

クレジットカードを利用する際、利息額をできるだけ少なくしたいと考えるでしょう。
そのためには、まず利息額が大きくなってしまう条件を把握しておくことが大切です。
ではどのようなときにクレジットカードの利息額が大きくなってしまうのでしょう?
利用金額が多い場合
まずは利用金額が大きい場合です。
クレジットカードの利息額は、基本的に利用金額や利用残高に年利や日数を乗じて算出します。
そのため、利用金額が大きいほど利息額も増えてしまうのです。
また、返済期間が長引いてしまったときも利息額が大きくなります。
クレジットカードの利息額は日割りで算出するので、借入してから返済までの期間が長いと、それだけ利息が増えてしまうのです。
リボ払いを選択している場合
返済期間が長引くケースの1つに毎月の支払い金額が少ないリボ払いを選択していることが挙げられます。
この方法で支払いをしても、手数料の負担が大きくなかなか利用残高が減りません。
その結果、発生する利息額も大きくなってしまいます。
また利用者が支払い遅延を起こしてしまうと、利息+遅延損害金も支払わなければならない状態になってしまいます。
利息額を減らすには繰り上げ返済がおすすめ
クレジットカードの利息額を減らすための方法として挙げられるのが繰り上げ返済です。
繰り上げ返済とは、決められている返済日より前に利用金額を支払ってしまうことをいいます。
繰り上げ返済をすることで利用残高を減らし、支払い期間を短くできるので、支払う利息額も少なくできるのです。
お得な支払い方法の設定は?
もっともお得な支払い方法を設定したいのであれば一括返済を選択しましょう。
一括返済にすれば利息が発生しないので、利用金額のみの支払いでよくなるからです。
一括返済を選択した場合、一定期間の利用金額の支払いを指定の返済日にまとめてしなければなりません。
そのようなことから、分割払いやリボ払いよりも支払いの負担が大きくなってしまうのではという考え方もあります。
ですが、分割払いやリボ払いを選択すると金利が発生するので、利用金額の他に利息を支払わなければなりません。
その結果、一括返済よりも総支払い額が大きくなってしまうのです。
支払い方法の変更
リボ払いや分割払いの方法でクレジット払いをしているとき、利息を少なくするために支払い方法を変更したいという需要も多いでしょう。
基本的にどのカード会社でもリボ払いや分割払いから一括返済に変更したり、繰り上げ返済をしたりできるので、この点については問題ありません。
リボ払いや分割払いから一括返済に変更したり、繰り上げ返済したりするにはどのようにすればよいのでしょうか?
一括払いに変更する方法
まず、一括返済に変更するには、「カード会社へ電話で問い合わせる」「会員専用のサイト内で申込みをする」の2つの方法で行います。
カード会社によっては、支払い方法が口座引き落としに限定されたり、返済金額の上限が設けられたりしているところもあるので注意しましょう。
繰り上げ返済に変更する方法
繰り上げ返済は、「ATMを利用する方法」と「振込の方法」で返済することが可能です。
- ATMを利用して繰り上げ返済をする場合
⇒カードと暗証番号が必要になります
- 振込による繰り上げ返済をする場合
⇒カード会社のコールセンターに連絡して事前予約をしなければなりません。
その後、カード会社の指定する口座に振込をすることによって手続きします。
また、カード会社によっては、「分割払い⇒リボ払い」または「リボ払い⇒分割払い」に変更できるところもあるので、希望する場合は確認してみるとよいでしょう。
まとめ
おすすめの支払い方法は利息が発生しない一括払い
毎月の負担を軽減するなら分割払いかリボ払いも候補
クレジットカードは、一括払いの他にリボ払いや分割払いなどさまざまな方法で支払いをすることが可能です。
クレジットカードの支払い方法は、金利のことも考えて選択したほうがよいでしょう。
金利が発生すると利用金額の他に利息を支払わなければなりません。
もしクレジットカードを利用する際、返済の負担を少なくしたければ、支払い方法を一括払いにしましょう!
▼今回ご紹介したリボ払い専用クレジットカードの申し込みはこちら!
三井住友カード RevoStyle(リボスタイル) | |
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JCB CARD R | |
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ライフカードStylish | |
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クレジットカードは便利ですけど使うときは利息が発生しないか気をつけないといけません。
「一括払い」や「2回払い」、「ボーナス一括払い」の場合は利息が発生しないので、クレジットカードを利用する際に返済の負担を軽減することができますよ。